脳卒中とは
脳卒中とは脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血の総称です。かつて、脳溢血と呼ばれていた疾患も含まれます。簡潔に言うなら、脳梗塞とは脳の血管が詰まる病気、脳出血は脳実質内で細い動脈から出血する病気、クモ膜下出血は脳の動脈にできた瘤(動脈瘤)が破裂して起こる病気、といえます。
かつて、日本では脳出血と脳梗塞は同じくらいの発生比率でしたが近年は脳梗塞が増えてきました。食生活の変化が大きいと思われます。
脳卒中の特徴は突然発症し、時には命を脅かし、後遺症を残すことがある、ということです。発症時から意識が悪く、明らかに重症の場合、救急車が呼ばれ救急センターに搬送されます。しかし、意識障害がなく、症状が比較的軽症の場合、医療機関を受診するのが遅れ、充分な治療が受けられなくなります。脳梗塞の特効薬と言われるtPA(組織プラスミノーゲンアクチベータ)治療は、脳梗塞発症から4.5時間以内でないと受けられません。また、脳出血、クモ膜下出血は発症後、再出血し重症化することがありますので、早く治療を開始した方がよいのです。
脳梗塞、脳出血は、半身麻痺、言語障害、めまい、意識障害が突然発症します。クモ膜下出血は突然の激しい頭痛(バットで殴られたような)、吐き気、嘔吐、首の痛みで発症します。このような症状が出て間もないときは救急車を呼び専門病院で治療を受けましょう。
軽症で発症からある程度時間が経ってクリニックを受診されることがあります。そのような場合、当院ではすぐにMRIで診断し、入院治療が必要な場合は入院先を手配します。
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